補習校に行きたくない④  なぜ自分だけ補習校に行かなきゃならないの?

補習校

前回③の続きで今回は最終回です。

今回は

以下アンダーライン 9、10 についての私の思うところを述べてみたいと思います。

特に10は親子での話し合いが必要になってきます。

こういう質問が出てきたとき、親の方が一方的に従わせるのは あまり良くないと思いますし、お子さんも納得しないので、ますます親子のバトルが繰り広げられてしまいます。

補習校は、自分から行きたい、という気持ちになってこそ続けられるので、親子で話し合う絶好のチャンスです。

親子での話し合いが難しい時は、先生が相談にのってあげるのも一つの手です。

私がお母さんの代わりに生徒さんとお話しした例を挙げてみますので、よかったら参考にしてみてくださいね。

  1. 宿題が多すぎる
  2. 教科書の漢字が読めない
  3. 音読をさせられるのが嫌だ
  4. 先生との相性が悪い
  5. 授業が分からない
  6. 授業が退屈
  7. 仲の良い友達がいない
  8. いじめにあう
  9. 地域のスポーツ(サッカーやバスケットボールなど)と曜日が重なる
  10. 現地校の友達は土日休みなのに、自分だけ土曜日に補習校に行くことに疑問を感じる

 



地域のスポーツと曜日が重なる

サッカーやバスケットボールチームに入っているお子さんの場合は、試合がちょうど補習校と同じ曜日だったりしますよね。

クラス中に出たり入ったり、早退したり、遅刻したりと 私のクラスもそういう生徒さんがいっぱいいました。

宿題のドリルや学校からのお便り、テストなど、渡し忘れていないかどうか、配布物の確認が先生も生徒さんもお互い結構大変です。

また、欠席が続くと出席日数が足りなくなるので、それも調整が大変ですね。

スポーツを優先するか、補習校を優先するか、どちらも頑張って両立させるかは、各ご家庭で話し合っていくしかないですね。これは先生の力ではどうにもならないのが残念です。

ただ、「補習校をやめたい」と言う生徒さんに限っては、次の「どうして自分だけが補習校に行かなきゃならないの?」と思っているケースがほとんどですので、参考にしていただければと思います。

どうして自分だけ補習校に行かなきゃならないの?

「現地校に通っている友達は、週末休めるのに、自分は土曜日補習校に行って、しかも宿題もたくさんあって、遊ぶ時間が全然ない! だから補習校に行きたくない!」

と現地校の友達と自分を比較してしまいます。

まだまだ遊びたい盛りなので、気持ちは良くわかりますよね。

冒頭でも書きましたが、私が生徒さん(3、4年生)と話し合った様子を再現してみますね。

日本語の読み書きができるメリットをとことん話し合う

私: 補習校、やめたいって聞いたけど、学習が難しくなってきた?

A君:うん、それもあるけど、現地校の友達みんな遊んでるし、僕もみんなと遊びたい。宿題多すぎるし、よけい遊ぶ時間なくなっちゃう。

そっか、土日2日間あったら たっぷり遊べるものね。

でもさ、A君のお母さん、A君を苦しめるために補習校に通わせてると思う?

ううん。

だよね。お母さんはA君のこと大好きだし、そんなことないよね。じゃあ、どうして補習校に通わせてるんだと思う?

日本語の読み書きができるようになってほしいから?

そうだね、日本語の読み書きもだけど、A君は既に日本語の会話がペラペラだよね。英語もペラペラだし、すごいよね。日本語の会話ができるとどんないいことがあった?

日本人の友達としゃべれるし、日本のおじいちゃんとおばあちゃんともしゃべれる。あと、日本語のマンガを見られるし、ゲームもできる。

そうだよね。日本に帰るのも楽しみだよね?

うん。

じゃあ、日本語の読み書きができるようになると、どんないいことがあると思う?

日本語の本が読めると思う。

そうだね、確かA君はマンガが好きだったよね?

うん。

最近はポケモンとかドラえもんとかでも英語になってる本が出てるけど、A君は英語と日本語どっちで読む?

日本語。

それはどうして?

日本語の方がなんとなく・・・

なるほど、話しているセリフとか日本語でそのまま読みたいよね?

うん。

映画だってそうだよね? A君はバイリンガルだけど、ドラえもん見るのに日本語と英語の吹き替えがあったらどっち見る?

もちろん日本語。

なんで?

のび太とかジャイアンは日本語だし、2人が英語で話すのは なんかピンとこない。

だよねー。そう考えると、これからも日本語の勉強を続けると、難しい本も読めるようになるよね? 例えばポケモンの攻略本とかも簡単に読めるようになるのはいいと思わない? これはいつか英語に翻訳されるかもしれないけど、いつになるかわからないしね。

と、こんな感じで、本人の好きなものを例に出して、日本語が読めるメリットに気づかせてあげると、だんだん気持ちが変わっていきます。

あとは、将来の夢を聞いてみて、例えば建築家になりたいとしましょう。

そしたら、日本人のお客さんと英語を話すお客さんとどちらのお客さんも来てくれたら、収入は2倍になる。3ヶ国語を話せたら収入は3倍になる、的な お金もうけの話をしてみるのも面白いかもしれません。

勉強は大人になってからでもできますが、頭の柔らかい今が一番楽にたくさん記憶できることも伝える必要があります。

今少し頑張るのと、大人になってから必死で頑張るのとどっちがいい?

という風にお子さんに決めさせてあげます

お母さんのために行くんじゃない、自分のために行くんだ、と自分で決めれば
人のせいにしなくなります

実際、身近にいた日本人のママと中国人のパパを持つB君は、現地校、日本語補習校、中国語補習校の3つに通っていました。

また、中国人のパパとママを持つVさんは、パパとママは全く日本語を話せないのにVさんは日本語が大好きで、私は5年生の時に受け持ちましたが、彼女は幼稚部から中3までずっと通い続けました。こういう生徒さんもいるんだ、って知ってほしいですね。

マルチリンガルになってくると、努力も人一倍ですよね。本当に素晴らしいです。

将来の選択肢が増えるのは確実です。

中学3年生を送り出した謝恩会で生徒さんの話を聞くと、それぞれに大きな夢を持っている生徒が殆どでした。そして実際、みんな世界で活躍しています。

教え子たちの、今輝いている姿を「補習校に行きたくない」と言っている生徒に見せられればなぁ、、、と いつも思っていました。

お母さんは、毎週お弁当を作ったり(補習校では日本式の立派なお弁当を持参してくるお子さんが殆どでした)宿題を見てあげたり、音読を聞いてあげたり、文句を言われたり、と お子さん以上に気配りが大変だと思います。

そんなママたちを私は少しでも応援したいです。

補習校続ける? は、一応今回で終了しますが

1人でも続ける気になってくれると嬉しいなぁ・・・

どうかお役に立ちますように・・・

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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