令和3年度の補習校もあと2ヶ月余りで終わりますね。
来年度はどうしようか? と考えるママもいらっしゃるのではないでしょうか。
私はお母さんの立場だけで補習校に子どもたちを通わせた経験もありますし、教師になって子どもたちと一緒に補習校に通った経験もあります。
どちらの経験も大変良かったので、私の思いを綴ってみたいと思います。
来年度、どうしようかな? ともし迷っているママがいましたら、こんな考え方もある、というのを知って欲しいと思います。
補習校の醍醐味は先生と友達との出会い!
私が初めて補習校の教師になったのは、渡米して2年目ぐらいでした。
最初の勤務先がNY/NJ補習校だったのですが、職員室の中の雰囲気が日本の学校と全然違い、とても新鮮だった記憶があります。
一番嬉しかったのが、同僚の先生方との出会いでした。
「一週間に1度、国語と算数を児童に教えるだけのパートタイマー教師」と思って就職したのですが、私にとっては想像以上に居心地の良い環境でした。
先生方の職歴や日常の職業が実にさまざまで、新参者の私はあらゆる刺激を受けました。
先生同士の会話はもちろん、体験談やら指導法やら聞くことが大変面白く、勉強になることばかり。
もともと人に教えることが大好きな私は、児童に教えられる楽しみを求めて教師になったわけですが、それ以上に同僚の先生方にお会いすることが楽しみの一つになっていったのです。これが後に通算15年以上も続けられた1番の理由かもしれません。
海外で暮らしたことのある人の共通点は、慣れない土地での最初の心細さです。
これは補習校に通う児童・生徒にとっても同じです。日本から海外に来て間もなくの場合、現地校で英語ばかりの慣れない環境が月曜日から金曜日まで続きます。しかし、土曜日だけは日本語だけで、友達と思いっきり話せます。
教師にとっても、土曜日だけはまるで日本にいるようで、海外に暮らしていることを思わず忘れてしまいます。しかも普段の職業はお互い違っても、補習校の教師という共通の話題が絶えることがありません。
もちろんハワイの補習校でもそれは同じで、クラスが終わると先生方と図書室でミーティングしたり、家に帰る前にマクドナルドなどに数人の先生たちと寄り道して色んな情報交換をしたりと、先生同士でも刺激しあえました。NY/NJでは寄り道は難しいものがありましたが、日曜日に個人的に先生のお宅へ遊びに行って交流を深めたりすることができました。
日本の学校の先生方は、大学を卒業したら一般社会に出ることなしに すぐ先生になる方が大半だと思います。それが補習校の先生方は、日本で学校の先生をされていた方、一般社会の会社に勤務されていた方、自営業をされていた方など様々です。そして、海外では月曜から金曜までは本職である何らかの仕事をされていて、土曜日だけはパートタイムとして先生に変身するわけです。
あらゆる職種のお話や体験を生で聞くことが出来るのです。これは読書以上に価値があるのではないでしょうか。
この多種多様な先生方の集団が補習校であり、これこそが児童・生徒さんにとっての最大のメリットだと思うのです。
海外という環境下で、生徒さんが家でお母さんやお父さんと会話する内容や語彙の数というのは、偏りがあり決して多いとは言えません。
ですが、週に一度だけでも補習校の先生方と接することは またとない機会だと私は思います。
補習校で学べるのは国語と算数だけではない
おうちの方は国語や算数を教えてもらうことしか頭にないかもしれませんが、それは実にもったいないです!
先生方は、国語や算数の授業を通して世の中や自分の経験談をたくさん生徒さんたちにしてくれているはずです。
補習校では家庭以外の大人と話す最大のチャンスなのです。
どの先生もそれぞれに日本と海外両方の社会の良いところや悪いところもたくさん見てきて、あらゆる経験をしてきています。そして、先生方の出身地も様々で北海道から沖縄まで日本列島全域からいらしています。
こういう先生方とのコミュニケーションが出来るのは補習校ならではと思いませんか?
国語や算数の内容は忘れても良いから先生の面白い話を聞きに行くだけでも補習校に行く価値がある、と私は正直思っています。
授業がつまらなかったら、先生に「つまらない」と言って欲しいと思います。遠慮はいりません。この一言があるだけで、先生は何らかの工夫をしてくれると思います。教科書に沿った内容の中にご自分の経験を盛り込んでくださるはずです。
(たぶん、このブログを読んでいるのはママだと思いますので、お子さんにお伝えくださいね)
先生から話さなければ生徒さんの方から聞いてみてほしいな、と思います。授業中が難しければ休み時間や昼休みに先生の得意なことや経験談を聞いてみてください。きっと喜んでお話してくれるはずです。
何か一つでも、良い話聞いたな、面白かったな、と思えることを毎週得るつもりで行くと、補習校も一味違ったものになるのではないかな、と思います。
私が中学生の担任をしている時に、ホームルームに帰ると、生徒たちは決まってクラスで学んだ内容(雑談)を口々に教えてくれるんです。
「〇〇先生ね、またインドの話したんだよ。今日はこんな変な漢字習ったよ。」と言いながら『糞』と言う字を黒板に書いてくれるんですね(笑)でもしっかり書けているからすごいです!興味を持って聞けば一発で覚えてしまうものです。
こういうのが年間40回あったら、と思うとワクワクしませんか?
私はホームルームで生徒からの話を聞くのはとても楽しく嬉しいものでした。ですから、私も もちろん授業は真面目にやりますが、しょっちゅう脱線してたような気がします。これは敢えてそうしていました。教科書だけの授業なんて、教師だって面白くありませんからね。
日本の学校の一週間分をぎゅうぎゅう詰めで教えたところで、どれだけ頭に残っているかは想像すればお分かりになるかと思います。
それをもう一度 繰り返して思い出させるのが宿題なわけです。宿題が大変であれば、極論、答えを丸写ししても良いのでは、と個人的には思います。やらないよりかはずっとまし。写すことで復習にはなりますからね。
結論として 補習校は行って損はしない ということです。
テストの点が低くても、学期末の成績表が悪くても、今後なんら影響はありません。現地校の成績に響くわけでもなし、将来の履歴書に書くわけでもなし。
(でも学校によっては漢字テストが悪いと次の学年に進めない、という補習校もあるので、その場合はこのブログでご案内する方法で漢字を学習すればきっと大丈夫なはずです➡︎このブログのトップにある1年生から6年生の所をクリックしてみてください。新出漢字が先取りで学べますよ。)
国語や算数の成績では分からない、目に見えない知識を お子さんたちはしっかり吸収しています。
今はオンラインが増えてしまい、雑談なんて出来るゆとりはないかもしれませんが、もし対面式であれば、迷わず行くことをオススメします。
小学校の途中で辞めてしまった生徒さん、6年生で終わりにする生徒さん、中学まで行く生徒さん、高校まで行く生徒さん、と様々だと思いますが、上の学年まで行けば行くほど、耳から得る知識や語彙力は確実に伸びています。これは私が卒業生と話した時、人間としての奥行きができているのを実感したから言えることです。
うちの娘たちが通った補習校は中学校までしかありませんでしたが、本人たちの意思にもよりますが、高校がもしあれば迷うことなく行っていたと思います。
私はかつて代教として、NY/NJで高校生を教えたことがあるのですが、クラスの人数は10人以下でした。しかし、授業はどの生徒も意欲的でお互いの意見をどんどん言い合い、本当に楽しい授業を経験させてもらいました。
補習校はクラスの生徒さんとでも、先生方とでも、保護者の方とでも、いまだにお付き合いのある方がいます。私にとっての補習校は大好きな大好きな職場の一つとなっています。
お子さんが「補習校に行きたくない」と言ったら?
ご両親としては、お子さんを補習校に行かせたい、でもお子さんの方が「補習校に行きたくない・辞めたい・嫌い」と言ってくる場合も当然あります。
この場合は、必ず原因があります。
- 宿題が多すぎる
- 教科書の漢字が読めない
- 音読をさせられるのが嫌だ
- 先生との相性が悪い
- 授業が分からない
- 授業が退屈
- 仲の良い友達がいない
- いじめにあう
- 地域のスポーツ(サッカーやバスケットボールなど)と曜日が重なる
- 現地校の友達は土日休みなのに、自分だけ土曜日に補習校に行くことに疑問を感じる
こんなところでしょうか?(他にもしあればコメントで教えてくださいね)
これを色別に分けて考えてみます。
ちょっと長くなりそうなので、次のブログで書きますね。
ではまた・・・
コメント