漢字は必要不可欠だと思うわけ:子どもが漢字を学ぶことに疑問を持ったら、これで解決!

ことば遊び

漢字って無ければ良いのに・・・

漢字って無ければ誰も苦労しないのに・・・

こんな声が聞こえてきました。これは子どもではなく、意外にも大人の声でした。

海外在住者なら誰もが知っている日本語補習校での、子供のお迎えを待つお母さんの言葉だったのです。

このお母さんは、お子さんが なかなか漢字を覚えられなくて困っていました。

日本語補習校って簡単に言いますと、現地校とは別の日に週に一度、文部科学省の教科書を使って学習するクラスがある所です。主に国語算数日本のカリキュラムと全く同じシステムで学習を進めていきます。いずれ、詳しくご紹介しますね。)

漢字は無ければ本当にいい?

⬇︎こういう文 どこかで見たことないですか?

ここではきものをぬいでください

とりにくかったよ

かさおそらくもってるよ

読点(、)を置く場所によっては 意味が全く変わってしまいますよね?

クイズとしては面白い!

でも・・・これを日常で目にしたら理解するのが大変かもしれませんね。

着物を脱ぐのか、履物を脱ぐのか (着物という言葉は知っていても、履物はきものという言葉を知らなければ、着物=着ている物のこと?なんて勝手に想像を巡らせて洋服を脱いでしまうかもしれませんよね。ひらがなしか読めない外国人なら尚更です。)

知っている言葉や漢字の量が少ないと、ひらがなだけでは とんだ誤解を招いてしまいます。

鶏肉買ったのか、取りにくかったのか、

「傘 おそらく持ってるよ」なのか「傘 お空曇ってるよ」なのか、ひらがなだけでは どちらとも受け取れます。

私たち大人でも SNSの漢字の誤変換で こんな体験した人は多いはず。

『ぎなた読み』 って知ってますか?

ぎなた読み というのは 区切る場所が違うと、全くちがう意味になる文章のことです。

ぎなた読みの語源は「弁慶が、薙刀(なぎなた)を持って振り回す」と読むところを「弁慶がな、ぎなたを持って振り回す」と読んだ人がいたということで、弁慶読みとも言うそうです。

上の例が まさにそうですよね。

たいやきってたべる?

・鯛焼き って食べる?
タイヤ切って食べる?
・鯛や木って食べる?

おしょくじけんだ

・お食事券だ
・汚職事件だ

ひらめいた

・ヒラメ居た
・閃いた

こんな感じで 語彙が豊富な人なら いくらでも想像できてしまいますよね。

文を読んでいるとき、皆さんの頭の中では、全ての文に漢字が思い浮かびませんでしたか

もし、日常使う語彙や漢字が少なければ、何通りも思い浮かべることができませんね。

『ぎなた読み』は れっきとした言葉遊び! なぞなぞは語彙が増える

子どもは『なぞなぞ』が大好きですよね!

ですから、漢字ぎらいのお子さんがいたらぎなた読みのようななぞなぞを出してみてください。

例文を探すのはとても簡単です。『ぎなた読み』って検索すると いくらでも出てきますよ!

面白いのを少し挙げてみますね。

きょうふのみそしる 

きょうじゅうにたべる 

ともだちにせんえんかす 

ふろにはいるかはいらないか

すかーふをまとめてくびにまく

りかちゃんとべんきょうしてる?

ぱんつくった

ぼくさーがちょうのようにまうよ

大人でも楽しめる文が沢山ありますね。

きょうふのみそしる恐怖の味噌汁。今日、の味噌汁。)

きょうじゅうにたべる(今日中に食べる。 教授、ウニ食べる。)

赤線の語彙を知らないと、想像できませんね。

ともだちにせんえんかす(友達に千円貸す。 友達二千円貸す。)

金額が2倍も変わってしまいますね!

ふろにはいるかはいらないか(風呂に入るか入らないか。風呂にはイルカは要らないか。)

すかーふをまとめてくびにまく(スカーフをまとめて首に巻く。スカーフをまとめて手首に巻く。)首なのか手首なのかで悩みますね。

りかちゃんとべんきょうしてる?(理科ちゃんと勉強してる? リカちゃんと勉強してる?)科目なのか人の名前なのか迷いますね。

ぱんつくった(パン作った。パンツ食った。)これは小学生には大ウケです。

ぼくさーがちょうのようにまうよ(ボクサーが蝶のように舞うよ。僕さー、ガチョウのように舞うよ。)ボクサーと僕、蝶とガチョウでは だいぶ違いますね。

海外では『舞う』という言葉を知る生徒は殆どいないので、意味が全くわかりません。

でも、チャンスです! これを使ってなぞなぞ形式で どんどん語彙を増やせば一石二鳥ですよね! 使わない手はないと思います。



「漢字が無くなればいい」という生徒がいたら こんな授業をしています

では、私がクラスで行っている授業をご紹介しますね。

実際に効果があった方法なので、もし気に入ったら安心してやってみてくださいね。

はい、ここから授業スタートです!

⬇︎

漢字が無くなればいいと思う人、手を挙げて!

と、最初に人数をメモしておきます。

そして、

これを読んでみてください とスライドを提示します。

みんな声を各自出しながら ブツブツ言い始めます。

「庭」 とか 「ニワトリ」 とか 単語が出てきます。

そこで・・・

 

「庭」の漢字だけ示します。

 

 

これで大体わかるかな? と「ニワトリ」も提示します。

でも、あと一つがどうしても分からない様子です。

 

 

これでどう? わかったかな? と「二羽」を提示すると・・・

 

あーーーーー!そうか! と みんな納得!

 

そして、また ひらがなだらけ を見せて、

ひらがなだけだと、色を変えたり、言葉と言葉の間を空けたり、読点(、)を打たないと相手に通じない、ということを認識させます。

 

そして、日本語には 漢字・カタカナ・ひらがな の3つがあることを伝えます。

 

そして、

と 力説!!!
ここでまた、みんなに聞きます。
漢字が無くなればいいと思う人、手を挙げて! 
➡︎ はい、0人になります
そして、
と、たたみかけます。
「漢字で書くと分かりやすいから!」と声をそろえて返ってきます。
そして、最後にまとめます。
「漢字で書いたら、読点も要らないし、相手にも直ぐ分かるよね?」
ってことで 一件落着!
漢字の必要性が分かったところで授業は終わりです。
」や「二羽」の漢字を習っていない生徒さんでも大丈夫です。最初にひらがなを提示しているので、こういう漢字なんだ、と理解できますよ

漢字は必要不可欠だと思うわけ (まとめ)

漢字が無ければいいのに、と思う生徒さんも保護者の方もいます。

何度も繰り返さないと身につかないですからね。子どもも大変だけど、それに付き合う親も大変! その気持ち、よーくわかります。

そんな時には「ぎなた読み」で、なぞなぞクイズ。

ぱんつくった(パン作った、パンツ食った)

きょうふのみそしる (恐怖の味噌汁。今日、麩の味噌汁。)

大人も子どもも楽しめます! 語彙も増えます!

読点(、)を打つところを間違えると とんでもない意味になってしまいます。

身についた漢字や語彙の量によって、想像できる内容が限られてしまいます。

にわにはにわにわとりがいる の文で 漢字の必要性を力説しましょう!

きっとみんな分かってくれますよ♪
最後までお読みくださり ありがとうございました。
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