「成人の日」は国の祝日で、多くの人が20歳を祝う日だけれど…
成人式が近づくと、もう前の年から
「振袖の写真はいつ撮る?」
「スーツにする? 羽織と袴にする?」
そんな会話が、家の中で自然と増えてきますよね。
でもふと、こんな疑問がよぎることはありませんか。
どうして“大人になる日”に、決まって特別な服を着るのだろう。
昔の日本では、
大人になることは、年齢ではなく姿で示すものでした。
男の子は冠をかぶり、烏帽子と袴を身に着ける。
女の子は裳着(もぎ)という装いを着け、
「私はもう子どもではありません」と、はっきり示したのです。
それは、
これから自分の判断で動くこと。
誰かを守る役割を担うこと。
その覚悟を、服という形で外に表すという、日本らしい知恵でした。
今の成人式で振袖やスーツを着る理由も、
実はこの考え方につながっています。
見た目を整えるためではなく、
心を整えるために、服を変える。
このあと紹介するのは、
そんな「成人式の意味」を、
子どもたちと一緒に漢字でたどっていく教室の一場面です。
「着る」
「担う」
「証」
一つひとつの漢字に込められた意味を知ると、
成人式が、少し違って見えてくるかもしれません。
ここでは49通りの漢字の読みが学べます。

最後にショート動画を載せておきますので、ブログを読んだ後に復習でご覧くださいね。
成人式は、なぜ特別な服を着るの?

ねえ、みんな。
成人式って、どうして振袖やスーツを着るのか、考えたことある?

えー、あんまり考えたことないかも。
大人だから、ちゃんとした服?

お祝いだから、だと思ってたけど。

うん、そう思うよね。
でもね、昔の日本では――
大人になることは、服で表すものだったんだよ。
「冠婚葬祭」の最初に来る「冠」

ところで、
「冠婚葬祭(かんこんそうさい)」って聞いたことある?

ある!
結婚式とか、お葬式とかでしょ?

そうそう。
じゃあ、この中でいちばん最初に来る漢字は?

「冠」だ。でも冠って…王様がかぶるやつ?

ふふ、そう思うよね。
この「冠」こそが成人式を表すんだよ。
昔の日本では、その「冠」が烏帽子(えぼし)。
男の子は元服(げんぷく)といって、大人になる儀式をしたの。
烏帽子(えぼし)をかぶり、袴(はかま)を身に付ける。
それはね、
「これからは外に出て、考えて、動く」
役割を担う人になるっていう合図を服で表したんだよ。。
だから大人になることは、年じゃなくて、姿で示したの。


へ〜、服の姿で役割を表したんだ…。
女子は「裳着」で大人になった

じゃあ女の子はどうだったと思う?

えっと…
あ、振袖?

惜しいけど近いよ。
昔の女の子は、
裳着(もぎ)という儀式で大人になったの。

裳着(もぎ)? 初めて聞いた。

そうだよね。今は振袖だものね。写真を見せるね。


裳を着(つ)けることで、
「もう子どもではありません」
という
大人になった証(あかし)=証拠(ショウコ)を示したの。
「もう子どもじゃない」っていう、はっきりしたしるしだよ。

へ〜、そうなんだ〜。

そう。
だから今の振袖の長い袖も、
ただきれいなだけじゃないの。
袖がゆらゆら揺れて、厄を祓い、
人と人の“ご縁”や“願い”を繋(つな)ぐのよ。
それが、女性の大人としての力というか役割ね。

そっかー。振袖って袖を振るから振袖で、
厄を祓うためだったんだ!とっても綺麗だから
おしゃれなファッションだと思ってた!

先生もよ。
成人式には振袖が着られるってワクワクしたもの。
昔の人は、袖を振るしぐさに厄を祓う・清める意味があると考えていたのね。
まとめ 成人式の服は「役割」を表すものだった

成人式って、
ただのお祝いじゃないんだね。

うん。
大人の服を身に付けることで、覚悟を決める日。
責任を持って、社会の一員になる、最初の一歩なんだよ。
それが、守られる人から守る側の人になる役割だったの。

なんか…
振袖やスーツの見え方、変わったかも。

うん、僕も・・・

服が変わると、心も変わる。
それが、日本の成人式なんだよ。
成人式は、ただ大人になったことを祝う日ではありません。
昔の日本では、服を変えることで
「これから社会の一員として生きていく」という
覚悟を表してきました。
成人式は、完成ではなく始まり。
その第一歩を、服に思いを託して踏み出す日なのです。
昔から「弱冠二十歳」という言葉があります。
由来は古代中国からのものですが中国の古典・儒教経典のひとつである
『礼記(らいき)』には、 二十を「弱」と呼び、冠をかぶせる儀式がある という記述があるとされていて、 この「冠をかぶる」こと=成人の儀式として意味づけられていました。
大人として認められた年齢でありながら、
まだ成長の途中であることを知っていた、
人を急かさず、見守るまなざしが込められた素敵な言葉ですね。
ショート動画(45秒)で復習しよう!
動画を見た後に、以下が読めるか確認してみるのもお勧めですよ。


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