今日は早いもので大晦日(おおみそか)。
師走(しわす)はお坊さんも多忙で走り回る、という異名(いみょう)が付くほどですから、年末は日本人にとって、とても忙しいですよね。
子どもの頃に、「なんで年末になると、大掃除したり、おせち作ったり、こんなに忙しくするんだろう???」
と 家の中だけでなく、よその家も同じで、町中もにぎやかで、バタバタと人も忙しそうに歩いていたのを不思議に思っていた気がします。
今だからこそ意味が少しは分かるようになりました(笑)なぜ少しなのかと言いますと、知れば知るほど奥が深くて ひと言では言い表せないからです。
でも今度はそれを後世へ伝えていかねば、と思う年代へ突入。自分の浅い知識でも、次の世代に渡して行きたい、、、そんな風に思えるようになりました。
私は得意のリズム音読で伝えていこうと思います。
今回の内容は年始にもつながっていきますので、次のブログと合わせてお楽しみください。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
年末の子どもの疑問???
お子さんに こんなことを聞かれたことはありませんか?
最後までご覧いただくと、これが全部説明できるようになると思いますよ。
12月はお正月の準備をするから忙しいんですね。
でも、この歳神様って一体なんなのよ!? って思いますよね。
そこで 歳 について調べてみると・・・
こんなに いっぱい意味があるんですね。年齢や一年の意味ぐらいしか知らなかったので驚きです!
漢字は表意文字ですが、こうして見ると昔の人は一文字に様々な意味を込めたのですね。漢字何千年もの歴史がうかがえます。
今は主食がパンの人も多いけど、日本人にとってお米はとてもとても大切で、たくさんのお米をもたらしてくださる農耕神、つまり稲の神様が歳神様なんですね。
稲の収穫はもちろん、他の幸せや健康も運んでくださる歳神様を、ぜひとも招待しないとですよね〜。
でもですね、歳神様は キレイな所しか来てくれないそうなんですよ。
普段から神様のいる神社を見ても分かりますよね。汚い神社見たことないですよね?
あと皆さんは大事なお客様を招く時、あわててお掃除したことないですか?
それと同じです。大事な歳神様をお迎えするのですもの。
隅から隅までずずずい〜〜〜〜〜〜っとキレイにしないとですよね!
ということで
特に食事を用意するところは体をつくる大切な場所ですから、念入りにする必要があります。
昔の台所ってどんなのか知っていますか?
こういう土間という所で食事の用意をしていたんですね。
そして、薪(まき)がたくさん見えますよね?
昔のコンロはこんな感じ。今とだいぶ違いますよね。
そう、皆さんが知ってる竈門炭治郎の竈門の字はこれと同じですよ。
この竈で火を使うと、天井(てんじょう)が煤(すす)で真っ黒になるんです。(私がまだ小さい頃、いなかの親戚の家の天井を初めて見た時に発した言葉が「うわ〜〜〜、真っ黒〜〜〜、きったな〜〜〜い!」だったそうです。今でも親戚のおばさんによく言われます・・・申し訳ないことを言ってしまったものです)
ですから、大掃除 というと この煤払いだったんです。
大掃除=煤(すす)払い
そして、大掃除は31日ではなく、本当は12月13日にやるのが通常で、今でもこの日にやっている所が多く見られます。
鬼宿日(きしゅくび)と言って とても縁起の良い日と言われています。
これはまたの機会に説明しますね。
台所の天井(てんじょう)ではありませんが、今でもこんな風に煤払いをしているところが各地で見られます。
目的が違うので、墨職人さんは この煤払いの煤では作りませんけどね(笑)松の木や菜種油などのいい材料にこだわって作られています。
さて、天井も壁も、お部屋もキレイにしたら、今度はお餅つきです。
12月28日にするのが良いそうですよ。八が付くので末広がりで縁起が良い日と言われています。
お餅はもち米で作ることを知らないお子さんが結構いるので、うるち米ともち米の違いを教えてあげてくださいね。
同じ米なのに、「マイ」と読んだり「こめ」と読んだり、どちらも読み方が変わるのは不思議ですね。これは外国人の方がよく疑問に思うところです。言語を学ぼうとする学生さんは、読み方の法則を知りたいのだと思います。
私は単に言いやすさではないかなぁ、と勝手に思っています。
つきたてのお餅って美味しいですよね。ふわふわで柔らかく、私は大好きです。
鏡餅用と、のし餅と言って後で切りやすいように伸ばす地方もあります。(左上の写真)地方によって丸いお餅と四角いお餅がありますが、この のし餅を作る地方のお雑煮が四角い餅になるようですね。
そして、この鏡餅 なぜ「鏡」がつくのか不思議でした。
三種の神器(さんしゅのじんぎ)って聞いたことはありますか? 日本に住んでいれば歴史の教科書に必ず出てきます。
古事記に出てくるのですが、この中の一つに『八咫鏡(やたかがみ)』というのがあります。銅で出来ていて、鏡は神様の象徴とも言われています。
ここから鏡餅はこの鏡に似せた円い形になったのですね。
そして、お餅に歳神様が宿るとされています。歳神様が家に来てくれたら、このお餅の中に入ってくださるのです。
そして、なぜ二段重ねるかと言うと、一年間、良いことが重なるように、と縁起を担(かつ)いでいるのですね。(諸説ありますが、子どもに分かりやすくしています)
さらには、日本人は縁起を担ぐのが本当に好きですから
家族の関係もよくしたいわけです。
お餅の準備もできました。
次は、神様に家に来てもらいやすいように、外からでも分かりやすく玄関先に案内を出します。まるでお店の看板と同じですね。
それが門松とか松かざりなんです。見つけやすくするための目印だったわけですね。
これで歳神様を迎える準備はできました。
いよいよ大晦日です。
大晦日にはお蕎麦を食べますよね。これはこんな風に説明すると分かりやすいですね。(これも諸説あります)
お蕎麦を食べながら聞こえてくるのが 除夜の鐘です。
なぜ108回なの? と聞かれたら 四苦八苦 の説明がいいと思います。
詳しい説明は大変だと思うので
四苦八苦(しくはっく)と言うんだよ。
これを掛け算して足してごらん。
四苦→ 4x9=36 八苦→ 8x9=72
36+72=108 だよね。
これで 私は子どもの頃、な〜るほど、と納得しました。
そして、人間には108の煩悩(ぼんのう)があるので、それを一つずつ消していくのが除夜の鐘なの。煩悩は誰もが持っている醜い心の部分ですね。
これをこんな風にまとめてみました。
自己中は(=自己中心)のことです。
まとめ (大掃除から除夜の鐘まで)お正月の準備
お正月の準備をするために、つまり歳神様をお迎えするために、大掃除をしたりお餅をついたりする、ということが分かりましたよね。
冒頭の子どもの質問に答えられるようになりましたか?
- なぜ、大掃除をするの?
- なぜ、門松を立てるの?
- なぜ、鏡餅を飾るの?
- なぜ、鏡餅は二段重ねるの?
- なぜ、大晦日に蕎麦を食べるの?
- なぜ、除夜の鐘が鳴るの?
あとは、このリズム音読をお子さんが何度も音読することで、次の世代へしっかり伝わると思います。全部音読しても1分もかかりませんよ。
スラスラ音読できるようになったら、ふりがな無しにも挑戦してみてくださいね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
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